京都御所での宴会の様子を表した雛壇

 雛壇には、お内裏様が一番上、その下に三人官女、そして五人囃子、随身や仕丁(しちょう)やごちそうが並びます。

 これは春のある日、京都御所の紫宸殿(ししんでん)で供食・供飲をしながら宴を行った様子を表しています。三人官女はお酒を注ぎ、五人囃子は音楽を奏で、下級役人である仕丁までがお酒のおこぼれをいただいています。仕丁は久しぶりのお酒を飲みすぎ、一人は泣き上戸、一人は怒り上戸、一人は笑い上戸という三上戸が表現されています。

 仕丁の三上戸に注目して雛壇を眺めるのも、面白いのではないでしょうか。