●季節感に合う8月お盆

 盆は、精霊会(しょうりょうえ)とか盂蘭盆会(うらぼんえ)とか呼ばれます。精霊とは祖先の霊のこと。盂蘭盆とは古代インド語で逆さに吊るされた苦しみを救うという意味だそうです。

 釈迦の弟子である日連が「死んだ母が地獄に落ちて逆さ吊りの刑に苦しんでいますが、どうしたら救われるでしょう」と釈迦に聞いたところ、7月15日に供養するように教えられました。先祖の御霊供養は、古い時代に日本に渡来し、「日本書紀」にはすでに宮廷行事として行っていたという記述があります。

 13日の夜には、先祖が迷わずお帰りになるようにと、家々の門口で迎え火を炊きます。16日の夜にはまた門口で送り火を炊き、精霊の帰る道を明るく照らします。

茄子の牛や胡瓜の午を飾るのは、祖先の霊の乗り物。いらっしゃる時には胡瓜の馬に乗って早く来て欲しい。帰る時には茄子の牛に乗ってゆっくり帰って欲しいという願いが込められています。