高温多湿は食中毒の危険も

——つけない、増やさない、やっつける——

●意外と多い家庭内での食中毒
 高温多湿のこれからの季節。食中毒が心配です。営業店で食中毒が起きると、感染する人も多く、営業停止になるなど大きな問題になりますが、実は、家庭内での食中毒も多いのです。人数が少なく、個別に対応するので深くひそかに蔓延してしまうのですね。家庭内での食中毒を防ぐために、厚生労働省の注意事項を参考にしてみましょう。
●まずは「つけない!」
 食中毒の予防の原則は3つ。それは「つけない」「増やさない」「やっつける」。
 「つけない」は、食中毒のさまざまな雑菌は手についていることが多いのでまずは手洗い。①調理を始める前②生の肉や魚や卵などを触った前後③調理の前にトイレに行ったり鼻をかんだりした後④おむつを交換したりペットに触れた後⑤食卓につく前⑥残った食品を扱う前など。
●「増やさない!」
 家庭内に持ち込まれた食品に付着した細菌を増やさないこと。細菌は10度以下では増殖がゆっくりになり、マイナス15度以下では増殖が停止します。食品に付着した細菌を増やさないためには、買ってきたら早く冷蔵庫にしまうこと。冷蔵庫内でも最近はゆっくりと増殖するので、速めに食べることも大事です。
●「やっつける!」
 ほとんどの細菌は熱処理をすると死滅するので、肉や魚、そして野菜なども過熱するようにしましょう(生野菜を食べる場合には良く洗って)。
 布巾、まな板、包丁などの調理器具にも細菌が付着します。使った後、洗剤でよく洗ってから熱湯をかけて殺菌。次亜塩素酸ナトリウムでの消毒も有効です(劇薬ですから手や衣服につかないように注意)。
●食中毒予防のポイント6つ
食品の購入①消費期限などの表示をチェック②寄り道しない③肉や魚は分けて包む④保冷剤を使用する
家庭での保存①すぐに冷蔵庫へ②冷蔵庫への収納は7割以下に③冷蔵庫は10度以下に④冷凍庫はマイナス15度以下に⑤肉や魚は汁が漏れないように保存⑥冷蔵庫の開閉は最小限に
下準備①肉や魚を調理した器具は熱湯をかけて消毒②調理器具は洗って消毒したものを使う③野菜も良く洗う④こまめに手を洗う
調理①加熱は十分に(中心部の温度が75度以上で1分以上)②電子レンジは均一に加熱されるように
食事①食事の前に手を洗う②食品は長時間室温に放置しない③盛り付けには清潔な食器を使う
残った食品①手洗い後、清潔な容器で保存②早く冷えるように小分けで保存③温めなおす時は十分に加熱
 新型コロナウイルスの流行で、清潔意識が身についているこの時期、もうひと踏ん張りですね。