12月になりました
―そろそろお正月の準備です―

●12月8日は“事始め”
 “事始め”とは、文字通り新しくものごとに取り掛かること。江戸時代、上方では12月13日、江戸では12月8日に煤払いをしてお正月の準備を始めた日でした。
 昔は囲炉裏があり、あるいは竈があり、その煙で天上などに煤がつくので、青竹を束ねたもので煤を払ったものでした。
 8日は物事を始めたり収めたりするのに良い日とされ、12月の8日はお正月の準備を始めるのに良い日とされ、2月の8日は農事を始めるのに良い日とされていました。

●手始めと事始め
 物事を始める言葉に“手始め”と“事始め”があります。手始めは物事を始める第一歩。物事に取り掛かること。事始めは物事を初めて行うこと。手始めはいつでも始められますが、事始めはお正月の準備を初めて行うこと。昔は、お年神様の迎えるのは1年のうちの最大の行事ですから、12月になったら早速始めたのでしょうね。今では、ちょっと気が早い時期ということになりますが。

●僧侶が走る“師走”
 師走とは。かつては年末に僧侶を招いて仏事を行う家が多かったので、12月になるとお坊さんが忙しく走り回るという意味が1説。
 また、12月は“年が果てる”という意味から“年果つ(としはつ)”から変化してしわすになったという説も。
 さらに、四季の果てる“四極(しはつ)”からという説もあります。

●現代のお正月準備
 現代では、12月初旬にお正月の準備を始めるというのは早すぎるようですが、お歳暮や年賀状の準備は早くから始めたほうがよさそうですね。