日本でも盛んになったハロウィン
——10月31日はカボチャがテーマ?—

●ヨーロッパで発祥したハロウィン
 ケルト人は、1年の終わりは10月31日とされています。日本においても季節の変わり目は邪気が忍び込みやすいと言われています。例えば、冬から春になる立春の前の日の節分(季節を分ける)には、鬼が暗躍するとされ、軒先には柊や鰯の頭を飾ります。柊はトゲトゲしていて痛そうだし、枯れ枝はガサゴソ音がして侵入がバレそうだし、鰯の頭は臭くて敬遠したくなる、鬼が嫌がる飾り物です。
 ヨーロッパではこの日、死者の霊が家を訪ねて来たり、有害な精霊や魔女も来ると信じられていました。それらから身を守るために仮面をかぶり、火を焚いて魔よけをしていました。
 ヨーロッパでは大きな蕪をくり抜き、蝋燭を立てて魔よけとしていました。

●イベント好きなアメリカ人
 アメリカ大陸が発見されてからは、蕪のランタンがカボチャに代わります。カボチャはアメリカが原産地だったから、手ごろなカボチャがたくさん入手できたからなのでしょう。
 およそ、海外のイベントはアメリカを通じて日本に入ってきました。バレンタインデーも、母の日も、アメリカから渡ってきました。アメリカ人も日本人も、イベントが好きなのですね。
 イベントが日本に定着すると、バレンタインデーにはチョコレート、母の日にはカーネーション、クリスマスにはデコレーションケーキ……それぞれ商魂たくましい日本のメーカーが提案して定着してきました。

●日本中に定着させたのはコンビニ
 関西で行われていた節分の“まるかぶり”。すっかり全国に定着しましたね。ケーキもチョコレートも、造花のカーネーション付のグッズも、津々浦々に店舗を持つコンビニエンスが主導しています。
 10月になると、コンビニエンスではカボチャをテーマにした商品が売られています。
 若者が集まる渋谷や新宿などでは、仮装した若者で大混雑するようですね。
 ところが、新しく流入したハロウィンは、高齢者施設には似合いません。十五夜、十三夜(10月18日)にはお団子をおやつにお出ししますが、ハロウィンは静かに暮らします。