恋人たちの日、バレンタインデー
——今年のチョコレートの売れ行きは?—

●バレンタインデーって何?
 3世紀頃、ローマ帝国を治めていたクラウディウス2世は、「故郷に恋人を残している兵士は士気が下がる」という理由で、結婚を禁止していたそうです。当時は戦争に次ぐ戦争をして勢力を拡大していたのですね。
 ところが、皇帝の命令に反して兵士たちを内緒で結婚させていたのが、キリスト教の司祭ヴァレンティヌスでした。そこで皇帝はヴァレンティヌスに結婚式の禁止を迫りましたが、その命令に従わず、処刑されてしまいました。兵士の結婚を応援していたヴァレンティヌスは、その後、恋人たちの守護聖人として崇拝され、処刑された2月14日は恋人たちの日となったという説が最有力です。

●旧暦の2月は春の始まり
 寒さが続くこの頃ですが、旧暦では1月、2月、3月が春。衣を重ねて着るほどまだ寒い“衣更着(きさらぎ)”と言われる2月ですが、そこここに春の気配が漂ってくる月でもありました。
 春になれば、恋人たちは気持ちがウキウキして、この日は愛の告白をするのに最適だという説もあります。
 
●チョコレートを贈るのはなぜ?
 バレンタインデーには、女性から男性にチョコレートを贈る習慣があります。でもこれは、日本だけのこと。
 昭和10年にチョコレート会社モロゾフが外人向けの新聞に“チョコレートを贈りましょう”という広告を出したのがきっかけだと言われています。
 その風習が日本で盛んになったのは昭和30年代の後半。当時は、女性から男性に愛の告白などはなかなかできなかった時代なので、恋人たちの良いきっかけになったのかもしれませんね。
 さて、コロナがまん延している昨今、デートをするのもためらわれるかもしれませんが、少人数なら大丈夫と当局も言っているので、どうぞ絆を深めてくださいませ。