暑さ寒さも彼岸まで?
——3月初旬に5月の陽気でしたが—

●18日は彼岸の入り
 18日は彼岸の入り、21日は彼岸の中日、24日は彼岸の明けになります。
 昔から“暑さ寒さも彼岸まで”と言われますが、3月初旬から4月並み、5月並みという気候が続いていました。
 彼岸とは、向こうの岸。此岸(しがん)はこっちの岸。私たちが住んでいるのは此岸で、ご先祖様が住んでいるのが彼岸です。彼岸になると、彼岸に住むご先祖様に感謝を申し上げるために、お墓の掃除をし、お花を飾り、お寺から塔婆をいただいてお墓に備えます。

●お墓の掃除
お墓の掃除は、まずは周辺の雑草を抜き、落ち葉やゴミを取り除きます。バケツに水を汲み、墓石をたわしで洗います。しつこい汚れは3Mのスコッチブライトでゴシゴシ洗いましょう。メインにあるお皿のような形をした部分は、水鉢。ご先祖様にお水を差し上げる場所です。汚れがたまりやすい部分ですから、丁寧に。
その後、全体をタオルで水気を拭き取ります。
花立は、中が汚れています。百円均一でトイレブラシを買いましょう。先端が金属に植毛してあるものが最適で、先端をつぶして花立に入るようにします。それでゴシゴシ洗って汚れを取り去ります。汚れていると、花もちが悪いですよ。

●仏壇の掃除
 仏壇は、細かい細工がしてあります。平らな部分はお掃除シートで埃を拭き取りますが、細工の部分は習字の筆が便利。筆の糊を洗って干して使いましょう。お位牌も柔らかい布できれいに拭きましょう。

●春は牡丹餅、秋は御萩
 仏壇に供えるのは、牡丹餅。お餅にこし餡をつけて置くと、表面がひび割れたようになります。その様子が春に咲く牡丹の花のように見えるので“牡丹餅”。
 秋のお彼岸にはお萩をそなえます。餅米に粒餡をつけた様子が秋の七草の萩の花に見えるので“お萩”と名付けられています。
 諸説がありますが、自然とともに暮らす日本人の感性が表れているこの説が好きです。