7月7日は七夕祭り
—―めでたい奇数が並ぶ五節句——

●奇数は陽の数字、偶数は陰の数字
 古来から、奇数は陽の数字、偶数は陰の数字とされてきました。そこで、陽の数字が並ぶ、1月1日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日は特にめでたい日。1月は(1月7日なのですが)人日(じんじつ)、3月は桃の節句、5月は端午の節句、7月は七夕、9月は重陽の節句としてお祝いをしてきました。
 人を祝い、女の子を祝い、男の子を祝い、恋人たちを祝い、老人を祝う……バランスよく人生を祝っています。

●7月7日は中国の星祭り
 古代中国のこと。牛飼いの牽牛と機織りの織女は恋人同士で、恋にうかれて働かず、毎日遊び暮らしていました。それを知った天の神様の怒りにふれ、2人は天の川を挟んで対岸に引き裂かれてしまいました。そして、1年に1度だけ鵲(かささぎ)という鳥を並べた橋が現れ、天の川を渡って会うことが許されました。天の川の両岸にある獅子座の牽牛星と琴座の織女星が白鳥座の近くにいる鵲の仲立ちで会うというのが中国の星祭り伝説です。

●タナバタは布を織る織機のこと
 古来の日本でタナバタといえば、棚構えのある機織り機のこと。村の災厄を除くために、汚れ知らぬ機織りの女性である棚機津女(たなばたつめ)が機屋(はたや)に籠って天から降りてくる神様と一夜を過ごすとか。それは祖先の魂を家に迎える盆に先立って、神様に村人たちの一年の汚れを持ち帰っていただくためでした。
 上代の日本では七夕を音読みして「シチセキ」と呼んでいましたが、棚機津女の行事と結びつき、タナバタと呼ばれるようになりました。

●恋愛成就を願う日
 宮中においては、7月7日は重要な節目であり、相撲や詠歌などが催されました。特に女性たちは、二星の願いが叶えられる日にあやかろうと、瓜や花を供え、竿の先に五色の糸をかけて恋愛成就を願ったそうです。二星が船で天の川を渡るという説もあることから、船の舵は梶に通ずるということで、梶の葉に願いを書いてささげました。
 現代では、恋愛に限らず、願い事を書いた短冊を笹に吊るして成就を願っていますね。