天上天下唯我独尊
——花いっぱいの花まつり——

●春爛漫、様々な花が咲き誇ります
 4月8日はお釈迦様のお生まれになった日。
 お釈迦様は、紀元前463年頃、釈迦族の王様である浄飯王とそのお妃様である摩耶婦人との間に生まれました。摩耶婦人がお産のために実家へ里帰りをする途中、ルンビニーの花園で休んだ時に誕生したそうです。恵まれた生活にありながら、29歳で出家し、35歳で悟りを開き、インド各地を遍歴して民衆を教化しました。
 仏教は、日本には中国を経由して奈良時代に伝わってきました。

●誕生祝は「灌仏会」と呼ばれます
 お釈迦様の誕生を祝う催しは「灌仏会(かんぶつえ)」と呼ばれます。灌は注ぐという意味。液体を注ぎかけるという意味で、昔は五色の香水を、今は甘茶を注ぎます。
 お釈迦様が生まれた時、帝釈天や梵天が天から降りて来て、九龍が天上から産湯を注ぎかけたという由来に基づいています。インドでは、この日に限らず日常的に灌仏が行われていたそうです。
 花まつりと呼ばれるのは、お寺の境内にさまざまな花で飾った花御堂という小さなお堂を造り、水盤の上にお釈迦様の像を置き、灌仏会を祝ったことから名づけられました。

●天上天下はみな平等
 お釈迦様は、お生まれになったとたん、三歩歩まれ、右手は上を指し、左手は下を指し、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」とおっしゃったとか。多くの場合、「この世に私より尊いものはない」と解釈されていますが、本来は「この宇宙に存在するすべてのものは、みな平等で尊いもの」という意味だそうです。
 お釈迦様にかける甘茶。甘茶蔓というウリ科の蔓草。実は漢方薬で、ストレス解消、胃潰瘍、喘息、女性の髪を黒くする効能があると言われています。
 コロナ禍でストレスが多い昨今、このゆかしい行事に参加して晴れ晴れとしたいものですね。