細菌・ウイルスに好適な季節です
——食中毒にご用心—

●家庭でも多い食中毒
 もし飲食店で食中毒が起こったら、営業停止。報道されるので大きな問題になります。確かに食中毒は飲食店で多く54.7%。その次に多いのが家庭で、14.2%も起きています。食中毒を起こす細菌は室温20度で増殖し始め、人間や動物の体温で活発に増殖します。身体に取り込まれたら、それこそ細菌の思うつぼ。気を付けなければいけませんね。

●食中毒を起こす細菌・ウイルス
 食中毒を起こす主な原因は。
1) O157などの腸管出血性大腸菌。腹痛や水のような下痢を起こします。食肉についていることが多く、肉を生で食べたり加熱が不十分だと発症します。
2) カンピロバクターは牛や豚、鶏などの腸の中にいる細菌。これも過熱が不十分だと吐き気、腹痛、下痢を起こします。
3) サルモネラ菌は食肉の腸の中や卵などが原因。菌がついた物を食べると半日か2日くらいで激しい胃腸炎、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などが起こります。
4) 河川や土の中など自然界に多くいるセレウス菌。穀類や豆類、香辛料などが主な原因。チャーハンやスパゲティ、スープなどが原因になります。セレウス菌は熱に強いのが特徴ですが、少量では発症しないために菌を増やさないことが大切です。
5) ブドウ球菌は自然界に広く分布し、人の皮膚や喉にもいます。中でも黄色ブドウ球菌が食中毒の原因。調理する保菌者の手に傷があると食品を汚染します。これは酸性にもアルカリ性にも、そして熱にも強いという特徴があります。3時間くらいで嘔吐や吐き気、下痢などが起こります。
6) 人や動物の腸管や土壌にいるウエルシュ菌。酸素のないところで増殖するのが特徴。カレーや煮魚、野菜の煮付など煮込み料理が原因となることが多く、室温で長時間おかないことが対策です。十分な加熱、即、食べるようにしましょう。
7) ノルウイルスは手や食品を介して体内に入り、腸の中で増殖し、嘔吐、下痢、腹痛を起こします。ノルウイルスに感染した人のつばや糞便、嘔吐物から感染する場合もあるので、汚物処理がポイントになります。
●食中毒を防ぐ6つのポイント
1)買い物では①消費期限を確認②生鮮食品や冷凍食品は最後に買う③肉や魚は汁が他の食品につかないように分けてビニール袋に入れる④寄り道をしないで早く帰る
2)家庭での保存①冷凍や冷蔵品は帰ったらすぐに冷蔵庫に入れる②肉や魚はビニール袋に入れて他の食品に汁が移らないよう③肉、魚、卵は扱う前後に手洗い④冷蔵庫は10度以下、冷凍庫はマイナス15度以下に⑤冷蔵庫は詰め過ぎず温度を適正に保つ
3)下準備①調理前に手を洗う②野菜は冷水できれいに洗う③肉、魚、卵を扱ったら手を洗う④包丁やまな板は肉・魚と野菜は別々に⑤冷凍食品は使う分だけ解凍し、冷凍・解凍を繰り返さない⑥使用後の布巾等は熱湯をかけて殺菌⑦台所用殺菌剤を使用する
4)調理①調理の前に手を洗う②肉や魚は中心部を75度で1分以上加熱
5)食事①食べる前に石鹸で手を洗う②清潔な食器を使う③料理は長時間室温に置かない
6)残った食品①残った食品を扱う前に手を洗う②清潔な容器に保存する③温めなおす時に十分加熱④時間が経ちすぎたものは思い切って捨てる⑤ちょっと怪しいと思ったものはもったいないけど捨てる
 以上、コロナだけでなく、食中毒にもならないよう、健康な毎日を過ごしましょう!