雨が降るのに“水無月”
—―天には水がなく、地には水の恵み——

●五月雨を集めて早し最上川
 松尾芭蕉は、『奥の細道』で最上川の様子をこう詠っています。旧暦の五月の雨は、今でいう梅雨。旧暦では五月に当たるので、五月雨と呼ばれました。
 五月晴れも、初夏の快晴を指すのではなく、もともとは梅雨の晴れ間のこと。

●水が無い月とは?
 雨が降って、水がいっぱいなのに水が無い月とは、どういうことでしょうか。それは、天上の水がみんな地上に雨となって降り、天上には水が無くなってしまう月という意味です。
 梅雨というのは、中国で黴の生える雨を「黴雨(ばいう)」と書いたからです。黴の月ではいかにも情緒がないので、日本では“梅雨”と記すようになりました。この頃はまた、梅の熟す時期でもあるので、梅の字が当てられたという説が有力です。

●家事の梅雨対策
①梅雨時はちょっと寒い日もありますが、冬物をクリーニングして仕舞いましょう。1度着ただけでもそのままにしておくと、シミや虫食いの原因になります。
②防虫剤の準備。衣類の害虫は5月ごろから卵からかえり、衣類を食べ始めます。種類が違う防虫剤を混ぜて使わないこと。成分は空気より重いので、上のほうへ置くようにします。
③洗濯機のカビ退治。洗濯槽のカビ取り剤を使ってカビ退治。そして、使用後は乾いた布でドラムの湿気を拭き取りましょう。
④排水溝のカビ退治。特に温度が高い浴室。湯船の排水溝はパイプ掃除剤で。洗い場の排水溝は網を外し、中まできれいに洗い上げます。ヌメリが残っていると、害虫の発生場所になります。