夏の贈答は、お中元

——7月15日までがお中元——

●1年に3回のお中元
 お中元は中国から伝来した道教の思想。
 正月の15日を上元、7月15日を中元、10月15日を下元、合わせて三元。1月15日は幸福を願い、7月15日は罪を赦されることを願い、10月15日は厄を払うという意味が込められているそうです。

●日本に定着した風習
 1月15日は、中国では元宵節とも言われ、灯篭を灯して夜祭を行いました。この日に小豆粥を食べるとその年の厄が避けられるとか。日本では小正月として小豆粥を食べる習慣が定着しました。
 中元は贖罪の日として、1日中火を焚いて神を祝いましたが、のちには死者の罪を赦すことを願う日となり、盂蘭盆会と一体化。
 日本ではお盆の行事となり、さらにお世話になった人に贈り物をする“お中元”となったそうです。
 下元は祖先の霊を祀る行事でしたが、のちには災厄逃れを祈る日になりました。日本ではこの日に、収穫に感謝する十日夜(とうかんや)となりました。

●贈り物はいつでも
 本来、お中元は7月15日までに贈るものとされています。15日を過ぎると“暑中見舞い”。立秋の後は“残暑見舞い”。
 日本の習慣は季節と共に呼び名を変え、自然と共に生きる日本人の美意識が感じられます。
 でも、それぞれの季節の産物は、いつも決まってしまいますね。お中元には、持ちが良いようにと、水ようかんやゼリーがたくさん届いてしまったりすることはありませんか。
 ちょっと変わったものを贈りたいと思ったら、季節に関係なく、たまたま行った旅行先の物産を贈るというのもいいですね。旅には、親しい人の住所・電話番号を記録して出かけましょう!